海苔の教養④

海苔は何色でしょう?

皆さんがよく食べている海苔は焼海苔だと思いますが、緑がかった黒っぽい色をしていると思います。一般的に上質な海苔は、色が濃く、艶を呈しています。ラーメンのトッピングや味付け海苔に使用されている業務用海苔の色は薄い傾向にあることに気付かれるかもしれません。漁場で育てられた海苔の葉には、主に緑色のクロロフィル、赤色のフィコエリスリン、青色のフィコシアニン、更に橙黄色のカロテノイド類などの色素が含まれています。その結果、とても幅広い波長領域にわたって光を吸収しますので、黒い色に見えるわけです。焼海苔に加工していく加熱工程で赤色のフィコエリスリンが熱変性されやすく、だんだんと補色である緑色が際立ってくるのです。

これらの海苔に含まれる色素類には、消臭・殺菌効果、デトックス効果、抗酸化作用など数多くの有効性が証明、研究されているわけです。簡単に言ってしまえば、色が濃く艶のある海苔は、美味しいだけではなく海苔特有の栄養成分もたっぷりと含まれているということになります。ちなみに、食品成分量にある2191食品のベータカロテン含有量ランキングにおいて、海苔は堂々の1位です!

昨今、ミドリムシやスピルリナなどのように、体にいいと言われる新たな藻類が市場でも目立ってきていますが、海苔の栄養成分を調べてみるとそれらに劣らないことがわかります。長い食習慣があり、食べて美味しく、見た目も美しい、なにより体に嬉しい食材ということがお分かり頂けると思います。

2018-03-29T22:28:09+00:00 02.15.2018|海苔|