手作りのかつお節

もうすぐ3月ですね。いかがお過ごしでしょうか?
「のぼりガツオ」が群れをつくって黒潮にのり、フィリピン沖から日本近海に回遊してくる頃です。この季節に獲れたカツオは縁起の良い「初鰹」とされ、昔から食べれば新たな生命力を得られると考えられてきました。

日本でもたいへん希少となってきている「手作りのかつお節」について、世界の多くの皆さんにも知ってもらいたいと思い、今回のブログを書いています。

ちなみに、カツオ漁は近海漁業と遠洋漁業に分かれ、近海漁業は一本釣り、遠洋漁業は大きく一本釣りと巻き網漁とに分かれます。特に近海での漁獲量が年々減少してきていると言われますが、これは気候変動や遠洋における巻き網漁などの影響なのかもしれません。

かつお節はそもそも、ある時期にたくさん獲れるカツオを長期保存することを目的として盛んにつくられるようになりました。様々な工夫を施しカツオから水分を減らしていくことで保存性を高めるのです。それと同時に保存性だけではなく、香りや味、機能性までもが格段に向上されることがわかってきました。

その結果として、かつお節は和食の味のベースである出汁、様々な料理のトッピング素材としてとても広く利用されています。最近では、アジア諸国、欧米においても、かつお節が一般的に知られるようになっています。和食だけではなく、様々な料理においても活用される場面が増えてきていることは嬉しい限りです。

かつお節は大きく二つのグループに分けられると考えています。ひとつ目は家族経営のような小規模の作り手が一本一本手間をかけながら仕上げた手作りのかつお節。もうひとつは効率重視のメーカーが製造したものです。手作りのかつお節は、かつおの選定から始まり、芸術品をつくり上げるように仕上げられていきます。それらを洗練された目利きが節のままの姿で自信を持って売れるもののみを選別します。一方、効率重視のメーカーが製造したものは、従業員が監視する自動化生産ラインにて、出来るだけ人の手を介さずに生産されていきます。

インターネットモールや大型スーパーで売られている大多数のかつお節や関連製品は、効率重視のメーカーが製造したものです。大量生産工場においては、国際的に安全管理体制を証明するためのHACCPシステムを採用しようとする動きも出てきています。たしかにそのような国際的な認証マークがついていれば、より多くの人々が安心して食することが可能になるでしょう。

一方、希少品となってきている「手作りのかつお節」は生産量が限られていて、一般消費者の皆さんにとって、簡単に見つけることが難しくなってきています。もちろん、伝統ある割烹料理店、蕎麦屋やミシュランガイドに乗る日本料理店などは、特別の仕入れルートにより、本物志向の「手作りかつお節」を入手しています。プロの料理人は食材を熟知していて、その特徴を最大限ひきだすことが可能です。彼らの多くは、HACCP承認を受けた大量生産型食材よりも、ひとつひとつ丁寧に仕上げられた無二の芸術品を好むことでしょう。

Japonteは「かつお節問屋 タイコウ」と協力して、鹿児島県枕崎のかつお節職人が、近海の一本釣りで水揚げされたカツオをのみ使用した極上な「手作りかつお節」を海外の和食ファンや料理人の皆さんにも紹介し、お届けして参ります。伝統的な一本釣り漁で水揚げされたカツオは、傷も少なく、十分なエネルギーをため込んでいるため、うま味成分のイノシン酸を豊富に含むかつお節をつくりことを可能とします。

手作りの生産者にとってHACCP認証を取得することは、まだまだ現実的ではありません。HACCP認証を取得するためにエネルギーを費やすよりも、代々に渡り技を引き継ぎ、技を更に磨いていくことにエネルギーを費やすべきなのかもしれません。

私たちJaponteは、世界中の和食ファンや料理人の方々に、日本特有の手作り食材、伝統的食材をお届けして参ります。この活動がビジネスとして成り立つかどうかは未だわかりませんが、価値を感じて頂ける方々と出会えることを楽しみにしています!

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2019-03-26T14:13:47+00:00 02.26.2019|活動内容, かつお節|