11月から海苔の摘み取りが始まり、年末あたりから「初摘み海苔」と呼ばれる、やわらかく、香り高い海苔が市場で流通されています。昨今では、お歳暮として高級海苔をお渡しする機会も少なくなってきていますので、美味しい「初摘み海苔」を新年に楽しむ場面も減ってきているのではないでしょうか。海苔は日本の食文化を象徴する食べ物の一つ。かつては日本の朝食には欠かせない食材の一つでありました。今となっては、コンビニおにぎりを食べる際に海苔を口にする機会は増加しているのでしょう。
わが国における近年の養殖海苔生産量は75~80億枚程度とされるいます。贈答用高級海苔の消費の落ち込みや、安価な業務用消費比率の高まりにより、海苔の生産現場には深刻な変化がもたらされています。質よりも量を重視せざるを得ない状況に追い込まれているのです。このままでは益々、韓国などの近隣生産国との国際市場競合において厳しい局面をむかえることになってしまいます。
ところで、2月6日は「海苔の日」ということはご存知でしょうか?西暦702年(大宝2年)2月6日に大宝律令が発布された際、租税品の一つとして海苔が指定されていたことの由来から、1966年より2月6日が「海苔の日」と定められています。老舗の蕎麦屋などではお酒の肴として焼海苔を提供していることもございます。焙炉(ホイロ)という、小さな炭火の入った木箱にて提供される焼海苔を体験してみては如何でしょうか。なかなか粋だと思いますよ。